【Project 1000 ストーリー】第3回
2018.03.01
「Project 1000」について、より深く理解をしていただくために、さまざまな角度からプロセンをご紹介する「Project 1000 ストーリー」。
第1回目、2回目では、プロセンの始まりについて、お話しました。
工務店「ホームビルダー」の松岡と、建築家の山下が出会って始まったプロジェクト1000。その記念すべき第1棟目は、2000年に完成した木造3階建ての松岡の自邸でした。
「つくりながら、施工の方法やそれに要する時間、人件費も検証できる」と、松岡が自らの家を実験台にスタートしました。
要望としては、1階に事務所スペースを設けること、事務所と住居スペースをできるだけ分けること、収納を多くすること、テラスを広く2箇所以上つくること、それぞれの部屋が明るく風通しの良いことなどでした。
これらを解決するために考案したのが、生活する居住スペースの周囲に収納や水廻りの「箱」を設け、その箱で居住スペースを支える「サポートボックスシステム」です。
箱と箱の間の隙間を、採光窓やテラスにすることで、従来の木造3階建てにはない開放感が生まれ、収納に関しても通常の3倍近いスペースが得られました。
2000年に完成した木造3階建て。外部は全てガルバリウム鋼板(断熱材裏打ち)を使用。
2階のリビングスペース。竣工当初は3階への吹き抜けが設けられている。
角材の列柱は、プロセン初期のデザインの特徴だ。階段は照明の役割も持つ。
収納の箱で、居住スペースを支える「サポートボックスシステム」。
2階と3階の吹き抜け部分は、のちにリフォームして子供室になった。
この家を設計する過程で、工事費を1000万円台に収めるための具体的な方法がみつりました。まず1つ目は、「生活空間の大きな箱」と「収納や設備の小さな箱」を組み合わせる「サポートボックスシステム」。
小さな箱が支えになるので、生活空間の自由度が高まり、大きな窓も取りやすくなります。
2つ目は、はじめは空間を仕切らず、ゆったり使ってコストを抑え、生活の変化に応じて手を加えていくという方法。松岡邸では、竣工当初は2階と3階が吹き抜けでつながっていましたが、今は床でふさがれています。入居したときに小さかったお子さんが成長し、それぞれの個室を確保するために後にリフォームを行いました。
建設地: |
埼玉県川口市 |
竣工: |
2000年2月竣工 |
建築用途: |
専用住宅 |
構 造: |
木造3階建て |
敷地面積: |
91.94㎡(27.81坪) |
建築面積: |
46.16㎡(13.96坪) |
設計監理: |
山下保博/アトリエ・天工人 |
施工管理: |
松岡茂樹/ホームビルダー |
建築工事費: |
1,580万円 |